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帰る

避難所には2晩お世話になり、
帰宅を決めた。
自宅が整ったこともあるが、
我が家程度の被災でいつまでもお世話になることが心苦しくなってきたことが大きい。
その頃には、新聞、ラジオの情報で各地の様子がだんだんわかってきたから。


避難者名簿に帰宅を記し、
本部である職員室にあいさつに向かうと
息子の大好きな山崎先生にちょうど会えた。
帰宅する旨伝えると、ライフラインのことを案じてくださる。
「なんとかなると思います」と答える。

相変わらず余震は頻繁で揺れも大きく、
ライフラインは途絶したまま見通しも立たない。
避難所にいれば倒壊の恐怖はなく、
暇なときには友人と
トランプをしたりおしゃべりをしたりしていた息子が、
一番落ち込んだ。

明るいうちはまあいいが、
陽が落ち気温が下がってくると、
昨日まで友人一家や同室の方々と和気藹藹と会話していた反動で
どーんとさみしい感じはする。

2000年問題に備え購入したまま一度も使っていなかった反射板式の灯油ストーブを押し入れから発掘(!)していたので、とりあえず寒くはない。
帰宅を決めて、家族4人で調達した飲料水もそこそこあるので、
ストーブにかければお湯が沸くから暖かいものも食べられる。


それでもなんだか溜息モードの息子に、娘が少しばかりイライラしてきたころ、
息子に着信がある。
高校の部活の仲間だ。

なんでも自宅マンションは中がめちゃくちゃでいられないが、
お父上が経営している学習塾のうち、
街中で県庁や県警など行政機能が集中している地区にある教室では
水も電気も回復したという。
「大変だったらここに来ないか?」
というお誘いであった。

移動のこともあるので行きはしなかったが、
この電話一本で息子の表情が別人のように明るくなって元気になった。

「なんか、元気でたわ、早く学校行きたいなー」

友達の力って、すごい。
本当に有難い。



暗闇で昼間調達したレトルトカレーを食べていると
玄関をノックする音がする。


こんな時にだれ??
と思ったらまゆみさん。

なんでも街中に住む娘さんのマンションは水も電気も回復したから、と、
水をどっさり持ってきてくれたのだ。

この後も、水道管の大規模破損で水道復旧が遅れたわが地区の窮状を知る娘の友達やら
いろんな方がお水を届けてくれた。
お客さんも心配してくださった。


本当に本当にみんなありがとう!
このことはしっかり心に刻みたい。
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コメント 3

どぼちょんぱぱ

一人では生きていけませんね
by どぼちょんぱぱ (2011-05-22 20:23) 

500円

どぼちょんぱぱさん

本当にその通りです。
感謝しています。


楓〇さん

ありがとうございます!
by 500円 (2011-05-25 13:23) 

500円

意馬心猿さん

ありがとうございます!

by 500円 (2011-05-25 13:24) 

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